自宅を残しつつ債務整理をする方法!任意整理と個人再生の活用ポイント

借金の返済が苦しくなり債務整理を検討する一方で「家だけは手放したくない」と思う方も多いはずです。やり方次第で自宅を残したままでの債務整理も可能ですので、その2つの方法と、それぞれの仕組み・条件をここでご紹介いたします。

自己破産だと自宅を失う可能性が高い

経済状況がもっとも深刻な場合は自己破産を選択することになると思われますが、この場合、住宅ローンの有無にかかわらず自宅を失う可能性が高いです。不動産等の財産を換価して債権者に配当した上で残債務の返済義務を免除(免責)してもらう手続きである以上、不動産も処分の対象となるためです。

 

そこで「どうしても家を残したまま借金問題を解決したい」という場合は、弁護士へ個別に相談して自己破産以外の道を考えてみましょう。後述する任意整理か個人再生の住宅ローン特則が現実的な選択肢となります。

方法1:住宅ローンを除外して任意整理を行う

任意整理は「裁判所を通さずに弁護士等が各債権者と直接交渉し、将来利息のカットや返済期間の延長などを取り決める私的な手続き」です。

 

大きな特徴として、手続きをする債務と対象に含めない債務を選べる点があります。

 

そのため住宅ローンを組んでいる金融機関を対象から除外して手続きを進めれば、住宅ローンについてはこれまで通り返済を継続しつつ、ほかの借金の負担を軽減することができます。

 

住宅ローンの返済が滞らなければ抵当権が実行されることもないため、自宅を維持できます。

自宅を守るためのポイント

任意整理を選択して家を守るには、以下の条件を満たす必要があります。

 

  • 住宅ローンは滞納していないこと
  • 住宅ローンの貸主(金融機関)を任意整理の対象から外すこと
  • 任意整理後、住宅ローンに加え減額後の借金の返済も続けられる収入があること

 

注意が必要なのは、住宅ローンと同じ金融機関のカードローンやキャッシングがあるケースです。同一の債権者だとカードローンだけを対象にしようとしても住宅ローンに影響が出る可能性が高いため、弁護士に相談しましょう。

 

また、そもそも任意整理は話し合いによる解決ですので、債権者が提案を受け入れなければ成立しません。

方法2:住宅ローン特則の適用を受けて個人再生を行う

個人再生は「裁判所手続きとして債務の総額を大幅に減額し、減額後の債務を原則3年間で分割返済する公的な手続き」です。

 

住宅ローンが残っているとき、一般的な個人再生だと当該債務に係る債権者も巻き込むことになり自宅を失うリスクが大きいです。しかし「住宅資金貸付債権に関する特則(住宅ローン特則)」を利用することができれば、抵当権を実行されることなく自宅を維持しながら手続きを進めることができるのです。

 

この住宅ローン特則は残ローン自体を減額するものではなく、返済スケジュールを修正して弁済を継続可能な状態にするものです。その他の債務については個人再生を通じて減額した上で分割返済します。

 

なお、この特則の効力は住宅ローン債権者の同意がなくても生じ、連帯保証人にも同様に及びます。

住宅ローン特則の利用条件

住宅ローン特則を利用するには、次の資格要件をすべて満たさなくてはなりません。

 

《 住宅に関する要件 》

 

  • 個人再生を利用する債務者自身の所有建物であること
    ただし共有名義でも可。
  • 床面積の1/2以上がもっぱら自分の居住用として使われていること
  • 複数の家があるときは、主たるものに限る

 

《 債権に関する要件 》

 

  • 住宅の建設または購入に必要な資金の貸付であり、住宅に抵当権が設定されていること
  • 分割払いの定めのあるローン債権であること
  • 住宅ローン以外の後順位の担保権が住宅に設定されていないこと

 

保証会社が代位弁済をしている場合でも、代位弁済の日から6ヶ月以内に個人再生を申し立てれば代位弁済はなかったものとして特則を利用できます。しかし6ヶ月を超えると原則として利用できなくなるため、滞納が続いている場合は早急に対応しましょう。

任意整理と個人再生のどっちにすべき?

どの手法で自宅を残しつつ債務整理を行うべきか、借金の金額・返済能力・住宅ローンの滞納状況等を鑑みて判断しましょう。

 

比較項目

任意整理

個人再生(住宅ローン特則)

裁判所の利用

不要

必要(地方裁判所)

住宅ローンの扱い

対象から外した上で継続的に返済

継続的に返済

借金の減額幅

利息カット中心(元本は原則減らない)

元本も大幅に減額できる

収入要件

継続的な収入が必要

継続的な収入が必要

 

借金の総額が大きく元本を減額する必要がある場合や、住宅ローンの返済が一部滞っている場合は、個人再生の住宅ローン特則が一般には効果的といえます。

 

一方、住宅ローンは滞納なく返済できており、ほかの借金の負担を軽くするだけで生活が立て直せる見込みがあるなら、手続きが比較的シンプルな任意整理から検討すると良いでしょう。

 

いずれの方法も個別の事情によって結果が大きく変わりますので、早めに弁護士へ相談することをおすすめします。

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