任意整理で銀行口座が凍結されてしまうのはどんなケース?

「任意整理でも銀行口座が使えなくなるのでは?」と生活への影響を心配される方もいるかと思います。しかし、すべての口座が一律に凍結されるわけではありません。

任意整理により口座凍結が起こるケースとそうでないケースがありますので、その違いを把握しておくと良いでしょう。

口座凍結がなぜ起こるのか

弁護士が任意整理を受任すると、対象とする債権者に対して受任通知を送付します。そして借入先が銀行である場合、その銀行が受任通知を受け取ったタイミングで口座からの入出金を止める措置をとることがあります。

 

これは銀行が貸したお金を少しでも回収するための措置であって、口座にある預金と借入を相殺する準備として行われます。受任通知を受け取った時点の預金残高が相殺の対象になり、口座の残高がその分だけ減ることになるでしょう。

 

なお、凍結後に新たに入金された給与などについては相殺の対象外ですが、口座が凍結されている間は出金できないため、実際には自由に使えない状態が続く点にも注意が必要です。

凍結された後の影響

口座が凍結されると、通常はその口座からの入出金や振込、口座振替による支払いができなくなります。給与の受け取りや家賃、公共料金の支払いに使っている口座が凍結の対象になると、日常生活への影響も大きくなってしまうでしょう。

 

凍結が続く期間は、「保証会社が銀行に代わって立て替え払いを行う代位弁済の処理が完了するまで」とされることが多く、その後に凍結が解除される流れが一般的です。ただし、この処理にかかる時間は銀行ごとに異なるため、実務上は13ヶ月程度が目安とされることが多いものの、一概に何日で解除されるとは言い切れません。

口座が凍結されてしまう典型例

任意整理で口座凍結が起こりやすいのは、大きく分けて次の2つの場面といえるでしょう。どちらも「その銀行に対して返済義務のある借入が残っている」という点が共通しています。

借入をしている銀行に口座を持っているケース

一つ目は、借入をしている銀行に預金口座を持っているケースです。

 

たとえばA銀行のカードローンを任意整理の対象にしていて、同じA銀行に給与を受け取る口座を持っているような状況だと、その口座が凍結されるかもしれません。

 

このとき、A銀行は借入の回収手段としてその口座を凍結し、預金残高と借入の相殺をできる状態にします。一方で借入のないB銀行の口座であれば、A銀行の借入を整理したことを理由に凍結されることは通常ありません。

借入先が別の銀行カードローンの保証会社になっているケース

二つ目は、任意整理の対象にした消費者金融が、ご自身が別に契約している銀行カードローンの保証会社になっているケースです。

 

銀行カードローンでは、提携する消費者金融などが保証会社となっていることもあります。保証会社は、利用者が返済できなくなったときに銀行へ立て替え払い(代位弁済)を行う立場にあり、銀行との間で契約者の情報が共有されるのが通常です。

 

たとえば、消費者金融C社からの借入だけを任意整理の対象にしたつもりでも、契約中のD銀行カードローンの保証会社がC社である場合には、C社が受任通知を受け取ったことをきっかけにD銀行側にも状況が伝わることがあります。その結果、D銀行に持っている口座が凍結されるおそれがあります。

 

「借入先とは別の銀行だから大丈夫」とは限りませんので、保証関係にも注意が必要です。

事前に確認しておきたいこと

口座凍結によって生活に大きな支障が出ることを避けるため、任意整理を始める前段階で給与の受け取り先や生活費の管理に使う口座を借入のない銀行に変更しておくという方法もあります。

 

凍結の対象になりそうな口座に多くの預金を置いたままにしない、ということもリスク回避の観点では重要です。そのほか以下の点も確認しておきましょう。

 

  • 借入をしている銀行と日常的に使う口座が同じかどうかを確認する
  • 契約中の銀行カードローンの保証会社を確認し、任意整理の対象とする借入先と同じ会社になっていないか確認する
  • 給与や家賃の支払いに使う口座が凍結対象と重なっていないか確認する
  • 凍結が想定される場合は依頼前に必要な生活費を別の口座に移しておく

任意整理への備えは弁護士に相談

口座凍結が起こるかどうかは、借入先と口座の組み合わせ、銀行カードローンの保証会社がどこかなど、個々の事情によって変わります。

 

ご自身での判断に不安のある場合は、任意整理を検討する段階で弁護士を頼っていただければと思います。

 

弁護士に相談すれば、受任通知を送る前に生活費の振込先を変更するなど、実務上必要になる対応を含めて今後の進め方を検討してもらえます。口座凍結そのものを絶対に避けられるわけではありませんが、事前の準備によって生活への影響を小さくできるかもしれません。

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