未成年が巻き込まれやすい消費者トラブルとは
未成年の方は、商品購入やサービス利用に関する契約の経験や知識が不足していることが要因となり、消費者トラブルに巻き込まれる危険性が大人と比べて高いです。
そのうえスマホやオンライン取引の普及も進んでおり、トラブルに遭遇する機会も増えています。
よくある消費者トラブルの例をここで取り上げていますので、未成年者本人や保護者の方は内容をチェックのうえ、問題が起こらないように備えましょう。
未成年者によくある消費者トラブル
未成年者は成年者と比べて取引の経験や知識が不足していることも多く、年齢によっては判断能力も十分ではないことから、法定代理人(親権者)の同意を得ずに結んだ契約は取り消せると法定されています。
(未成年者の法律行為)
第五条 未成年者が法律行為をするには、その法定代理人の同意を得なければならない。ただし、単に権利を得、又は義務を免れる法律行為については、この限りでない。
2 前項の規定に反する法律行為は、取り消すことができる。
取り消しが有効となれば一度締結した契約も無効となり、契約に基づく支払い義務がある場合でもその負担はなくなります。
ただし、以下のケースではこの取り消しができません。
- 親権者等から事前に使うことを許された財産(小遣い等)の範囲である場合
- 親権者等から許された営業に関する契約である場合
- 成年者であるとだまして契約を交わした場合
- 成人してから契約を追認した場合
そのため「子どものしたことだから」という理由で何でもなかったことにはできないのです。このことに加えて、取り消しが認められる場面でも、法的な知識がない方が対応するとどうすればいいのかわからず泣き寝入りになってしまうこともあるでしょう。
そのため以下に取り上げる事例、その他困ったことが起こったときは弁護士に相談することをおすすめします。
スマホゲームへの課金
スマートフォンが普及し、18歳未満を含む多くの方がスマホゲームで遊ぶようになりました。これ自体に問題はありませんが、ダウンロードするのに料金が発生するゲームや、無料でプレイできるものの課金システムを採用しているゲームも多く存在します。
特に問題となりやすいのが後者です。意図せず決済ボタンを誤タップしてしまうこともありますし、実際にお金が発生するとわからず購入をしてしまうこともあります。お金が発生することをわかっていても、金銭感覚が未熟でつい何度も支払いをしてしまうこともあります。
気付けば数万円、数十万円子どもが使い込んでいたという事態も起こり得るため、使用方法には気を付けなくてはなりません。
オンラインショッピング
ネット上でのショッピングも今や当たり前になっており、手軽に高価なものまで購入することが可能です。
便利なのは良いことですが、オンラインショッピングがきっかけで消費者トラブルが発生することもあります。
未成年者が商品説明をよく読まないまま注文してしまったり、1回切りで購入するつもりが定期購入になってしまっていたり、といったケースも見られます。
親の同意なく契約を結んでも、上述したとおり取消権を行使できる可能性がありますが、小遣い程度の範囲内だと取り消すことは難しいでしょう。
※「小遣い程度」の判断はケースバイケースで、一律に判断されるわけではない。
また、簡易的に年齢確認を行っている場合、よくわからないまま未成年者が「18歳以上である」ことに同意しており、年齢を偽って購入してしまう可能性もあります。
親のクレジットカードの無断使用
未成年者が親のクレジットカードを無断で利用し、オンラインショッピングやアプリへの課金に使ってしまうケースもあります。特にカード情報をスマホやパソコンに登録しておりパスワード等をその都度打たなくても使用できる状態にあると、そのリスクは高まります。
親が認識しないまま多額の利用料が発生してしまうこともあり、キャンセルをクレジットカード会社に求めても返金に応じてくれるとは限りません。「親権者の管理下にあるべきカードだから、管理義務を怠ったことを理由とする取り消しには応じない。」などと断られる可能性も考えられます。
利用状況やカード会社によって取り消しを認めてもらえることもありますが、まずは家庭内で適切に管理すること、そして仕組み上勝手に使用できないように備えるべきでしょう。
マルチ商法等の悪質な勧誘
未成年者をターゲットとしたマルチ商法、悪質な勧誘が原因で消費者トラブルが起こることもあります。
マルチ商法の特徴として、友人や知人を通じて勧誘が行われることが多く、「簡単に稼げる」などと誘われ商品やサービスの購入契約を結ばされるケースがあります。信頼関係のある友人などから誘われると断りにくいですし、また、社会経験が未熟であるとそれが悪質な行為であることにも気付きにくいです。
消費者トラブルから身を守るには
未成年者の消費者トラブルを防ぐため、以下の対策を講じましょう。
- 課金トラブルを防止するため、スマホアプリを触らせるときは簡単に決済できないようシステム上の制限をかける
- 子どもの触るスマホやパソコンには、決済に必要な情報の登録をしない
- クレジットカード情報は厳格に管理し、定期的に利用状況を確認する
- 決済情報を登録する場合は、決済にパスワード入力や指紋認証、顔認証などが必須となるように設定する
- 未成年者自身・保護者ともに、契約の基本的な仕組みやクーリング・オフ制度、未成年者の取消権について理解しておく
また、事後であってもすぐに対応することが重要です。すぐに対処すれば損害を避けられるものでも、保護者が認識しないまましばらく経ってしまうことで取り返しがつかなくなる可能性もあります。
その観点からは、「子どもが一人で抱え込まず困ったことを相談できる環境・雰囲気を作ること」も重要といえます。また、法的な知識がないならご自身で対応するより消費生活センターに相談したり弁護士に依頼したりすることも検討しましょう。
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弁護士紹介

Lawyer Daichi Sakuma
代表弁護士佐久間 大地
紛争は人と人との間で起こります。それは法人間の紛争であっても同じです。そして、人には感情があり、立場があります。 紛争解決、説得の1つのツールとして、法律という理屈を駆使することはもちろんですが、常に、人の感情、立場に配慮した業務を行うよう精進しております。
詐欺被害救済といえば「大地総合法律事務所」と認知していただけるよう、所員一同、プロフェッショナル集団として、常に研鑽を積んで参ります。
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- 所属
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第一東京弁護士会(登録番号55138)
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- 経歴
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新潟県新潟市生まれ
新潟県立新潟高等学校卒業
中央大学法学部政治学科卒業
中央大学法科大学院修了
司法研修所入所
都内法律事務所勤務
大地総合法律事務所を開業

Lawyer Minakoshi Ishin
弁護士南越 維心
法曹は法律のプロフェッショナルであると同時に、人助けのプロフェッショナルたるべきである、というのが私の信条です。
トラブルに巻き込まれ、辛い日々を送っている人々を一人でも多く救済できるよう、精進してまいります。
よろしくお願い申し上げます。
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- 所属
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第一東京弁護士会(登録番号63548)
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- 経歴
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大阪府出身
同志社大学法学部法律学科卒業
卒業後は貿易会社で通訳業(ベトナム語)などを行う
大阪市立大学法科大学院修了
大地総合法律事務所入所


Lawyer Miura Yuu
弁護士三浦 悠
相手方のいる法的紛争は先が予想しにくく、心情的にも不安や負担が大きくなりがちです。
法律のプロとして法的解決に尽力するのはもちろんのこと、少しでも心の不安や負担を軽くできるよう、一人の人として依頼者様に寄り添える法律家でありたいと思っております。
何卒宜しくお願い申し上げます。
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- 所属
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東京弁護士会(登録番号60457)
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- 経歴
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秋田県生まれ
中央大学法学部法律学科卒業
中央大学法科大学院修了
都内大手芸能事務所で企業内弁護士としての勤務を経て、大地総合法律事務所入所

Lawyer Sakamoto Ryosuke
弁護士坂本 亮介
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- 所属
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第一東京弁護士会(登録番号63558)
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- 経歴
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福岡県糸島市生まれ
近畿大学法学部法律学科卒業
同志社大学法科大学院修了
都内大手法律事務所勤務を経て、大地総合法律事務所入所
Lawyer Yasuda Takashi
弁護士保多 崇志
「世のため人のための法律家」になるという 目標を胸に、毎日の弁護士業務に取り組んでおります。
大地総合が有する強い組織力の上に、私個人の真心を添えて 最良の法的サービスを提供いたします。
お困りごとについて、お気軽にご相談くださいませ。
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- 所属
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東京弁護士会(登録番号60303)
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- 経歴
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早稲田大学法学部卒業
成蹊大学法科大学院修了
法政大学法科大学院修了
司法試験予備試験合格
都内大手法律事務所勤務を経て、大地総合法律事務所入所
事務所概要
事務所名 | 弁護士法人大地総合法律事務所 |
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代表弁護士 | 佐久間 大地(さくま だいち) |
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