副業詐欺の実態と対策|被害の手口や返金を求める方法について
昨今、インターネットやSNSの普及により副業を始める機会が増えています。その一方で副業を装った詐欺被害も急増しており、社会問題となっています。具体的な手口や被害に遭ってしまった場合の対処法まで解説していきますので、被害の発生や被害の拡大を防げるよう当記事の内容を参考にしてください。
副業詐欺とは
「副業詐欺」とは、お金を稼ぎたい人・副業を始めたい人の意欲につけ込んで、架空の仕事や偽装された副業システム、あるいは収入を得るために必要と称する情報やツールなどを利用して金銭をだまし取る犯罪行為のことです。
インターネット、SNSの普及により稼ぎ方の形態が多様化する中で、副業詐欺も巧妙化・深刻化してきています。
また、副業詐欺による被害は金銭的な損失にとどまらず、個人情報の流出であったり、知らないうちに別の犯罪に加担させられていたり、といった深刻な被害につながるケースもあるのです。
副業詐欺でよくある手口
副業詐欺の大きな特徴は、副業を始めるために「必要不可欠」と称して、多額の初期投資や費用を要求する点にあります。
支払いを済ませた後、業者が音信不通となったり、約束された収入がまったく得られなかったりするケースが後を絶ちません。
特に警戒しておきたい具体的な手口についてその特徴をまとめましたので一度目を通しておいてください。
詐欺の手口 | 特徴 |
---|---|
情報商材 | ・「確実に稼げる。」という触れ込みで高額な情報を販売 ・実際の内容は一般的な情報の寄せ集め ・購入後のサポートがまったくない ・返金要求には一切応じない |
在宅ワーク | ・「必要な資格」として高額な講座受講を要求 ・登録料、システム利用料等の名目で次々と請求 ・仕事の紹介がない、または極めて低賃金 |
アフィリエイト | ・専用のツールやマニュアルの購入を強要 ・「上位プラン」への移行を執拗に勧誘 ・約束された報酬が支払われない ・実践不可能な収益モデル |
投資・トレード | ・SNSで「確実に儲かる。」投資話を持ちかける ・高額な情報配信サービスへの加入を要求 ・架空の投資案件への出資を募る ・専用ツールの購入を必須とする |
セミナー商法 | ・無料や格安の説明会から高額セミナーへ誘導 ・次々と上位講座の受講を促す ・具体的な収益方法が示されない ・中途解約を認めない |
副業詐欺の共通点
副業詐欺によくみられる共通点としては、「誰でも簡単に稼げる。」「確実に収入が得られる。」といった非現実的な謳い文句が使われている点が挙げられます。
また、初期費用の支払いを急かしたり、詳細な説明を避けたりする傾向もみられます。
さらに近年特徴的なのは、SNSを利用した巧妙な勧誘方法です。
実在の人物になりすまし、豪華な生活ぶりを投稿しながら、その生活を手に入れる方法として副業を紹介するといった手口が多くなっています。また、一見すると普通のビジネスや副業の話に見えて、実は詐欺グループの資金集めに加担させられるケースもあるのです。
そこで被害を防ぐためには、まず「簡単に稼げる」という言葉に惑わされないことが重要です。
正当な副業であれば、必要な技能や経験、実際の業務内容について具体的な説明があるはずです。
また、契約内容や事業者の実態を十分に確認し、少しでも不審に感じた場合は、消費者センターや警察に相談することをお勧めします。
一度被害に遭った人を対象に「被害を取り戻せる」などと持ちかけ、さらなる金銭を要求することもありますし、このようなパターンに遭遇したときはより注意しないといけません。提案には決して応じないようにしましょう。
返金を求める方法
副業詐欺の被害に遭ってしまった場合、できるだけ早期に対応することが重要です。被害にあってからの期間が長くなるほど返金を受けられる可能性は低くなってしまいますので、以下の複数の方法から最適な解決案を素早く見出し行動に移すことが重要になってきます。
クーリングオフ制度の活用
クーリングオフ制度は、契約後一定期間内であれば無条件で契約を解除できるとする制度のことです。
たとえば特定商取引法における特定継続的役務提供では8日間、連鎖販売取引や業務提供誘引販売取引では20日などと、取引の種類によって異なる期間が定められています。
そこで副業に関する契約でどの期間が適用されるのか、そして契約からの経過期間も確認しておく必要があります。
また、クーリングオフを行う際は内容証明郵便の利用が推奨されます。
契約年月日、商品・サービスの名称、契約解除の意思表示、支払済み金額の返還請求などを明確に記載して、クーリングオフであることの意思表示を書面で行いましょう。なお、内容証明郵便には使用できる文字や字数に制限があるため、書面を作成するときには注意が必要です。
※電磁的方法(メールなど)でもクーリングオフは可能。
その他の返金請求の方法
クーリングオフ期間を過ぎてしまった場合やその他の状況でも、以下のような手段によってお金を回収できる可能性があります。
- 販売者との直接交渉
- 必ずやり取りの記録(メール、書面など)を残すようにする。
- 詐欺業者の場合は応答がない可能性が高く、証拠を残しつつ次の手段も並行して検討することが重要。
- 消費者契約法に基づく契約取消
- 「重要事項について事実と異なる説明があった場合」「確実に利益が出ると断定的判断を示された場合」「不利益事実を告知しない場合」などには契約の取り消しが可能。
- クレジットカード会社へのチャージバック
- クレジットカード決済を利用した支払いの場合に検討可能な手段。
- カード会社に申し立てを行い、取引内容の調査を経て返金の可否が判断される。
- 申請期限があるため早めの対応が必要。
- 民事訴訟の提起
- 最終手段として裁判所を介して返金を請求する。
- 弁護士費用や時間が必要となる。
また、直接的な回収方法ではありませんが、警察に被害届を出して刑事事件として捜査してもらうことも有効です。
警察による捜査を通じて相手の情報を掴むことができれば、民事上の請求が実現できる可能性を上げることができます。
副業詐欺でお困りの方はご相談ください
副業詐欺をはじめとした消費者問題についてお悩みの方は、当事務所までご相談ください。
被害に遭われた方の中には「もう取り返しがつかないのではないか。」「恥ずかしくて誰にも相談できない。」などとお考えの方もいらっしゃいますが、諦める必要はありません。
弁護士がご相談者様に解決方法をご提案させていただき、状況に応じた効果的な解決策をご提示いたします。
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弁護士紹介
Lawyer Daichi Sakuma
代表弁護士佐久間 大地
紛争は人と人との間で起こります。それは法人間の紛争であっても同じです。そして、人には感情があり、立場があります。 紛争解決、説得の1つのツールとして、法律という理屈を駆使することはもちろんですが、常に、人の感情、立場に配慮した業務を行うよう精進しております。
詐欺被害救済といえば「大地総合法律事務所」と認知していただけるよう、所員一同、プロフェッショナル集団として、常に研鑽を積んで参ります。
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- 所属
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第一東京弁護士会(登録番号55138)
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- 経歴
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新潟県新潟市生まれ
新潟県立新潟高等学校卒業
中央大学法学部政治学科卒業
中央大学法科大学院修了
司法研修所入所
都内法律事務所勤務
大地総合法律事務所を開業
Lawyer Minakoshi Ishin
弁護士南越 維心
法曹は法律のプロフェッショナルであると同時に、人助けのプロフェッショナルたるべきである、というのが私の信条です。
トラブルに巻き込まれ、辛い日々を送っている人々を一人でも多く救済できるよう、精進してまいります。
よろしくお願い申し上げます。
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- 所属
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第一東京弁護士会(登録番号63548)
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- 経歴
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大阪府出身
同志社大学法学部法律学科卒業
卒業後は貿易会社で通訳業(ベトナム語)などを行う
大阪市立大学法科大学院修了
大地総合法律事務所入所
Lawyer Miura Yuu
弁護士三浦 悠
相手方のいる法的紛争は先が予想しにくく、心情的にも不安や負担が大きくなりがちです。
法律のプロとして法的解決に尽力するのはもちろんのこと、少しでも心の不安や負担を軽くできるよう、一人の人として依頼者様に寄り添える法律家でありたいと思っております。
何卒宜しくお願い申し上げます。
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- 所属
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東京弁護士会(登録番号60457)
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- 経歴
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秋田県生まれ
中央大学法学部法律学科卒業
中央大学法科大学院修了
都内大手芸能事務所で企業内弁護士としての勤務を経て、大地総合法律事務所入所
Lawyer Sakamoto Ryosuke
弁護士坂本 亮介
弁護士へ依頼することは、一生に一度の出来事だという方も多いと思います。
だからこそ、あなたの思いにじっくりと耳を傾け、あなたと共に最善の解決策を考えていきます。
分からないこと、不安なこと、迷っていることなど、どんなに些細なことでも構いません。どうぞお話をお聞かせください。
長年続けた野球、格闘技を通じて鍛えたハートの強さ、粘り強さを活かして、あなたを全力でサポートいたします。
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- 所属
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第一東京弁護士会(登録番号63558)
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- 経歴
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福岡県糸島市生まれ
近畿大学法学部法律学科卒業
同志社大学法科大学院修了
都内大手法律事務所勤務を経て、大地総合法律事務所入所
Lawyer Yasuda Takashi
弁護士保多 崇志
「世のため人のための法律家」になるという 目標を胸に、毎日の弁護士業務に取り組んでおります。
大地総合が有する強い組織力の上に、私個人の真心を添えて 最良の法的サービスを提供いたします。
お困りごとについて、お気軽にご相談くださいませ。
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- 所属
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東京弁護士会(登録番号60303)
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- 経歴
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早稲田大学法学部卒業
成蹊大学法科大学院修了
法政大学法科大学院修了
司法試験予備試験合格
都内大手法律事務所勤務を経て、大地総合法律事務所入所
事務所概要
事務所名 | 弁護士法人大地総合法律事務所 |
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