クーリングオフが認められるための3つのルールとは
クーリングオフは特商法で規定されている消費者保護のためのルールです。一定期間内なら無条件で契約を取り消せるというものですが、どんな行為に対しても、いつでも取り消しができるわけではありません。
そこでクーリングオフを主張するうえで知っておきたい3つのルールをここで解説します。
クーリングオフ制度の概要
「クーリングオフ制度」は、訪問販売など特定の方法で契約を交わしたことを前提に、一定期間内なら無条件で解除ができるとする仕組みのことです。
消費者から商品の販売やサービスの提供に関する申し込みを受けても、契約が成立しても、クーリングオフ期間を過ぎるまではその撤回や解除をされる可能性がありますのでご留意ください。
ルール1:特定の取引方法による契約であること
クーリングオフが有効となるのは、取り消しの対象が「特定の取引方法によって締結された契約」の場合です。
特商法では特に消費者トラブルが起こりやすい取引類型を次のように分類・定義しており、それぞれに一定の規制がかけられています。
- 訪問販売
- 訪問購入
- 電話勧誘販売
- 特定継続的役務提供
- 連鎖販売取引
- 業務提供誘引販売取引
- 通信販売
クーリングオフ制度が適用されるのもこの範囲に限られ、さらにこのうちの「通信販売」については適用がありません。事業者と交わすあらゆる契約でクーリングオフが使えるわけではありませんので注意してください。
クーリングオフが認められないケース
前項で紹介した通り「通信販売」にクーリングオフ制度は適用されないため、例えばネットショッピングをしたときやテレビショッピングをしたときなどにこの制度による取り消しはできません。
※返品不可の特約がなければ原則として8日間は取り消しができるとする、クーリングオフとは別の規定はある。
そのほか、次のケースではクーリングオフが認められません。
- 実店舗での商品購入
- 訪問販売や電話勧誘販売で3,000円未満の商品購入し、これを受け取り、現金で支払った
- 購入したのが化粧品などの消耗品であり、商品の一部を使用している
- 自動車の購入やリースに係る契約
- 葬儀の契約や電気・ガスに関するサービスなど
ルール2:8日または20日以内であること
クーリングオフが認められる取引内容であって、さらに契約から「8日または20日以内であること」を満たさないといけません。
この期間を過ぎているとクーリングオフはできなくなってしまいます。
なお、「8日間」と「20日間」は次のように適用関係が区分されています。
- クーリングオフ期間が8日間の取引類型
- 訪問販売
- 訪問購入
- 電話勧誘販売
- 特定継続的役務提供
- クーリングオフ期間が20日間の取引類型
- 連鎖販売取引
- 業務提供誘引販売取引
事業者からの書面交付から起算する
8日間または20日間の期間が進行し始めるのは、厳密にいうと「契約書等の所定の書面を受け取った日」からです。
そのため契約に係る書面を事業者から受け取っていないときは、未だクーリングオフ期間がスタートしていませんので、契約から相当期間経過していても取り消しを主張できる可能性があります。
※消費者側が同意していれば、書面ではなく電磁的記録(メールなど)の交付でその代わりとすることも認められる。
ルール3:事業者へ通知すること
クーリングオフをするためには、「契約を取り消したい旨の通知」を事業者に対して行う必要があります。
ハガキやメールなど、方法は1つではありませんが、いずれにしろ記録が残るようにすべきです。もしハガキで送るなら事前にコピーを取っておいて、簡易書留などの方法で送りましょう。
郵便局が受け付けた日で判断する
通知は上述の通り8日または20日以内にしないといけませんが、書面の場合、その終期の判断は「郵便局が受け付けた日」で行います。
事業者の手元に届いたのが8日や20日という期限を過ぎてからであったとしても、通知書が期限内に郵便局で受理されていれば有効と判断します。
法改正によりメール等でも可能になった
前はクーリングオフをするとき書面での通知が必須とされていましたが、2022年6月からはメールなどの方法でも有効として扱われています。
そのため事業者から「書面以外の方法では受け付けていない」と言われたとしても、メールが届いているのならクーリングオフは有効です。ほかにもWebサイト上のフォームを使って送信しても有効です。
ただしトラブルを予防するためにも、送信の記録は保全しておくべきです。送信が完了したとわかる画面をスクリーンショットしておくなど、あとで「送られていない」と主張されたときに備えておきましょう。
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弁護士紹介
Lawyer Daichi Sakuma
代表弁護士佐久間 大地
紛争は人と人との間で起こります。それは法人間の紛争であっても同じです。そして、人には感情があり、立場があります。 紛争解決、説得の1つのツールとして、法律という理屈を駆使することはもちろんですが、常に、人の感情、立場に配慮した業務を行うよう精進しております。
詐欺被害救済といえば「大地総合法律事務所」と認知していただけるよう、所員一同、プロフェッショナル集団として、常に研鑽を積んで参ります。
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- 所属
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第一東京弁護士会(登録番号55138)
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- 経歴
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新潟県新潟市生まれ
新潟県立新潟高等学校卒業
中央大学法学部政治学科卒業
中央大学法科大学院修了
司法研修所入所
都内法律事務所勤務
大地総合法律事務所を開業
Lawyer Minakoshi Ishin
弁護士南越 維心
法曹は法律のプロフェッショナルであると同時に、人助けのプロフェッショナルたるべきである、というのが私の信条です。
トラブルに巻き込まれ、辛い日々を送っている人々を一人でも多く救済できるよう、精進してまいります。
よろしくお願い申し上げます。
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第一東京弁護士会(登録番号63548)
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大阪府出身
同志社大学法学部法律学科卒業
卒業後は貿易会社で通訳業(ベトナム語)などを行う
大阪市立大学法科大学院修了
大地総合法律事務所入所
Lawyer Miura Yuu
弁護士三浦 悠
相手方のいる法的紛争は先が予想しにくく、心情的にも不安や負担が大きくなりがちです。
法律のプロとして法的解決に尽力するのはもちろんのこと、少しでも心の不安や負担を軽くできるよう、一人の人として依頼者様に寄り添える法律家でありたいと思っております。
何卒宜しくお願い申し上げます。
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- 所属
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- 経歴
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秋田県生まれ
中央大学法学部法律学科卒業
中央大学法科大学院修了
都内大手芸能事務所で企業内弁護士としての勤務を経て、大地総合法律事務所入所
Lawyer Sakamoto Ryosuke
弁護士坂本 亮介
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- 所属
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第一東京弁護士会(登録番号63558)
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- 経歴
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福岡県糸島市生まれ
近畿大学法学部法律学科卒業
同志社大学法科大学院修了
都内大手法律事務所勤務を経て、大地総合法律事務所入所
Lawyer Yasuda Takashi
弁護士保多 崇志
「世のため人のための法律家」になるという 目標を胸に、毎日の弁護士業務に取り組んでおります。
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東京弁護士会(登録番号60303)
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早稲田大学法学部卒業
成蹊大学法科大学院修了
法政大学法科大学院修了
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