リース取引における空リース・多重リースとは

リース取引は企業の設備・機器に対する投資の負担を軽減する有効な金融手法ですが、一部の悪質な業者による不正行為が問題となっています。当記事ではリース取引の仕組みを説明するとともに「空リース」と「多重リース」という2つの不正手法について言及し、どのように行われるのか、どのように防ぐのかを明らかにしていきます。

リース取引の基本

リース取引とは賃貸借取引の一形態です。

一般的な「レンタル」とは異なり、リース取引では、機械設備等を使用するユーザー企業、その機械設備等を製造・販売するメーカーやディーラー(サプライヤー企業)、そして当該物件の貸主となるリース会社の3者で成立します。

この仕組みを活用することで、ユーザー企業は多額の初期投資なしに必要な設備を導入でき、サプライヤー企業も代金を即時に回収できるというメリットがあります。またリース会社も物件の所有権を保持しながら安定した収益を得ることができるビジネスモデルとなっています。

 

 

各当事者の関係性

ユーザー企業

リース会社

サプライヤー企業

対ユーザー企業

リース料を受け取る

機械設備等を納入する

対リース企業

リース料を支払う

機械設備等を売却し、代金を受け取る

対サプライヤー企業

使用する機械設備等の納入を受ける

機械設備等を購入し、代金を支払う

 

リース取引の一般的な流れは以下のように示すことができます。

 

  1. ユーザー企業は、必要な機械設備等をサプライヤー企業と相談しながら選定する。
  2. ユーザー企業は、リース会社にリース契約の申し込みを行う。
  3. リース会社は、審査を行い、契約を締結する。
  4. リース会社は、サプライヤー企業から機械設備等を購入する。
  5. サプライヤー企業は、リース会社を介さず機械設備等をユーザー企業に直接納入する。
  6. ユーザー企業は、定期的にリース料をリース会社に支払う。

空リースとは

「空リース」は、機械設備等の納入が実際には行われていないなど、リース取引の実態がない場合の不正な取引手法を指します。

リース会社から不当に資金を引き出すことを目的に、通常、サプライヤー企業とユーザー企業が結託して行われます。

 

空リースの典型的な流れは以下の通りです。

 

  1. サプライヤー企業とユーザー企業が共謀し、架空のリース物件を設定する。
  2. ユーザー企業は、偽造した決算書類等をリース会社に提出する。
  3. サプライヤー企業は、架空の見積書や請求書をリース会社に発行する。
  4. リース契約が締結され、リース会社がサプライヤー企業に代金を支払う。
  5. サプライヤー企業は、受け取った代金の一部をユーザー企業に渡すことで利益を共有する。

 

このようにリース契約の仕組みを悪用することで、資金繰りに困っているユーザー企業等が資金調達を実現させます。

しかしこの行為は違法であり、実際に共謀を行った経営者が逮捕される事例も発生しています。

 

なお、必ずしもユーザー企業とサプライヤー企業が共謀して起こるは限りません。

ユーザー企業が騙されるケースもあり、この場合は機械設備等が納入されずユーザー企業が被害者となります。

多重リースとは

「多重リース」は、1つの機械設備等に対して複数のリース契約を締結し、複数のリース会社から不当に資金を調達する違法な取引手法のことです。こちらも通常、ユーザー企業とサプライヤー企業による共謀で行われます。

 

多重リースの典型的な流れは以下の通りです。

 

  1. ユーザー企業とサプライヤー企業が共謀し、1つの機械設備等を対象に複数のリース会社に取引を申し込む。
  2. サプライヤー企業は、各リース会社に対し、同一の機械設備等の見積書や請求書を発行する。
  3. 複数のリース契約が締結され、各リース会社がサプライヤー企業に代金を支払う。
  4. サプライヤー企業は、受け取った代金の一部をユーザー企業に渡すことで利益を共有する。

 

多重リースも空リース同様に資金繰りに困っているユーザー企業等が資金調達を主な目的として実行されるものです。

不正リースの防止策

空リースや多重リースの被害を受けないようにするため、リース会社としては次のような対策を検討すべきです。

 

  • 契約時のみならず、リース期間中も定期的に物件を実査する。
  • 検収時に写真撮影やシリアルナンバーを記録しておくなど、物件を特定できるようにする。
  • ユーザー企業の信頼性を慎重に評価し、物件導入目的の確認など財務諸表以外のチェックも行う。
  • サプライヤー企業の信頼性についても調べておく。
  • 不正リースの手口や防止策に関する社内研修等を実施する。

 

また、ユーザー企業やサプライヤー企業についても、不正リースに加担することのないよう気を付けてください。

違法であることを理解し、発覚することによる会社への被害や個人への罰則の適用なども認識しておくべきです。

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紛争は人と人との間で起こります。それは法人間の紛争であっても同じです。そして、人には感情があり、立場があります。 紛争解決、説得の1つのツールとして、法律という理屈を駆使することはもちろんですが、常に、人の感情、立場に配慮した業務を行うよう精進しております。

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    法政大学法科大学院修了

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事務所名 弁護士法人大地総合法律事務所
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